なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】


 そんな話を聞いてしまったら家には入れないよ。だからそっと家をあとにして向かった場所は、


 真の家。


 目の前には複雑な表情をした真と、同じように複雑な表情をしたあかりちゃんがいて、


「秋川さん、それで本当にいいんですか?」

「...はい。もう決めましたから」

「戦ったほうがいいんじゃないですか? 筋の通らないことやってんのは向こうだし」

「...負けちゃうもん」


 だからお前はイライラするんだよ。と真に罵られても、絶妙なタイミングであかりちゃんが制して、

 そんな二人は息が合っていて、すっと視線を下に落とした。


 『飯行かない?』メールは萩原さんからのもので、なーんにもなかったふうに、全然普通にご飯の誘いが来た。


『もちろん行きます』って普通に返して、


「じゃ、そういうことだからよろしく。あかりちゃん、ごめんね」

「...考え直したほうがいいですよ」


 力なく笑って、ありがとうって頷いた。


 強いなぁ。強くなったんだろうな。最初に会った頃と全然違うもん?


 私一人だけ取り残されてるような気がするよ。

< 212 / 261 >

この作品をシェア

pagetop