なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】
「話をまとめるとあれだね、お嬢ちゃんはその萩原って男のことが本当に大好きなんだね。他の女とホテルに入ったり、布団ギシギシ事件があったにも関わらず、本人の口から聞くまでは信じてるなんて、私からしたら健気に映りますけど、その性格は気を付けないと変な男にうまく使われてしまいそうで危なっかしいとも映りますね」
「......ひとつ違います」
「なにが」
「布団じゃない。ベッドギシギシ事件です」
そこ? もっと大切なことを今言いましたけど、気になったのはそこ? って、突っ込まれたけど、そうですと答えた。
だって、本人の口からじゃなきゃ意味ないもん。人から聞いたことをいちいち信じてたら、何が本当のことなんだか見失う。
確かに私は萩原さんを振った。
でもそれって結果的に私を含めみんなが救われる方法で、あの悪魔のような女から助かるためにはそれしか方法はなかった。と、思う。
「本当にそう思う?」
おじさまが私にグラスを差し出しながら聞いた。
「......どういうことですか」
「うん、僕が質問したんだけど、質問返しできたね」
ははははと笑って自分のグラスに口をつけたから私も真似して口をつける。
「君はもっと人に頼ることを覚えたほうがいいかもしれないよ」
頼ること?
どういうことだろう。
「頼るというのはね、人を信じて託すということなんだよ」
人を信じて託すこと......
自分一人で考えないで、近くの人に相談すること。
一人で考えると偏った考え方になる。他の人の意見を聞き入れるということは、それだけチョイスする幅が広が
るということだ。