なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】
「だから助けてもらえばいいじゃん」
トイレから出てきた女性は手をふきながら、髪の毛を気にしながら開口一番こう言い放った。
「...秀太郎さ...」
いやダメだ。今はモードひでこのはず。
このおじさまの前でそんなこと言えない。
「あんたほんとバカなんだから、むしろミラクルおバカ。さっきからおとなしく聞いてりゃイライラすることばっか喚きたててて、みんないい迷惑してんのよ」
そんなこと言ったら、私が悲しすぎるってもんだよ。
「やめなさい秀太郎。だれも迷惑はしていないんだから」
「そうだよ、やめてください...よ?」
...今おじさまの口から『秀太郎』という単語が飛び出したような気がしてならないんだけど。
まさか...知ってるの?
このおじさま、秀太郎さんの正体知ってるの?
「だって、ほんとバカなんだもん。あんた、忘れたとは言わせないわよ。あたしと話してたときのこと覚えてるよね。生意気に啖呵切ったじゃない」
忘れたとは言わせないわよ。と、再度一方的に押し通される。
「何があっても好きなんじゃなかったの?」
「す、好きですよ」
「嘘ばっかり。現に今なんかあってるじゃない。でバカみたいなこと言ってきたんでしょ? で、自分のダメさ加減に気づいて落ちてって果てしないバカ」
「だってー......」
「ダメダメダメ、そんなぶっさいくな顔してもダメ」
それを言われたら辛いです。確かに今そうなってるけど、でも、でも、でも...