なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】
パ...パパ?
野々宮さんパパって言った? 彼女の口からは到底言いそうにないことばが出てきて戸惑いと焦りしか感じない。
何かがおかしい。
このおじさまは野々宮さんのお父様で、さっき『なつな、入りなさい』とか言ったあとから萩原さんが入ってきて...
それに秀太郎さんも『なつ』がなんとかって言ってたような...
このおじさまは秀太郎さんのパトロンじゃないの?
そして、なんで萩原さんがここに来てるの? しかも野々宮さんと一緒に。
なんなの一体これ。
目の前にはおじさまが新しいグラスを持って、隣に、正確には私とおじさまの間に座った野々宮さんをサングラス越しに見て、指を指し、言い合いのような形になっている。
入り口付近には萩原さんか立っていて、カウンターの対面にあるソファーには秀太郎さんが深く座って髪の毛を気にしている。バーカウンターの中ではマスターが腰に手を当て...なんか飲んでるし。
萩原さん...これはいったいどういうこと?
もう、萩原さんしかこの状況を解説してくれる人はいないと思います。
あんなことを言っておいてなんなんですが...
でももう、あなたしか頼れません。
「...萩原さ...」
かけてたメガネを外して、両目の目頭を指で抑えてひとつ大きなため息をついた。