なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】
「私ね、復讐したいなんて言ってないってことも思い出したよ」
「そうだね、それは俺が勝手に言ってたことだから」
「なにそれっ」
「だって、あのままだったらお前はきっと真っ黒い心になって、人を妬み憎む人間になってただろ」
だからそうならないように軌道修正してくれてたんだ。
ベッドの中は暖かくて、しかもうっすらと汗をかいていて心地よい疲れもあって、眠くなってくる。
「最後にひとつ」
「お前の最後は何回もある一生のお願いと一緒」
「いいじゃないですか」
「いいよ。なに?」
「私ね、最初にここで目覚めた時、下腹部に痛みがあったの。でもね、それって」
「あれはきつかった。体幹鍛える新しいヨガを取り入れたからって何回もそれをやらされた」
やっぱり!
インナーマッスルとアウターマッスルを鍛えるのに適しているポーズを納得がいくまでやり続けていた。
全身に意識を集中して細部まで全神経で確かめてた。
「萩原さん、ヨガできるんですね」
「悪いけど、お前より長いよ」
「......うそ」
口角にっと上げて目尻に皺が寄るその横顔が大好き。
そうか、マスターやおじさまにムカッときたのは、似てるからだったんだ。