狡猾な王子様
「そういえば、冬実ちゃんさ」
カップから口を離した私に、英二さんはトマトに視線を下ろしたまま続けた。
「最近、痩せたよね」
はっきりと紡がれた、言葉。
だけど、あまりにも普通に、なにげない話をするような表情でそう言われたものだから、それを理解するまでに少しばかり時間を要してしまった。
「え……?」
もちろん、英二さんにとってはなんとなくの流れで口にするような、本当にどうでもいいことなのだろう。
それはわかっているし、世間話のうちのひとつだということもちゃんと理解しているつもり。
それでも、今までのダイエットではすぐに音を上げてことごとくリバウンドを繰り返して来た私にとって、英二さんに痩せたと気付いて貰えたことがとても嬉しくて……。
大袈裟なのかもしれないけど、奇跡のような出来事だった。
まさに天にも昇るようなフワフワとした気持ちになりながら、微笑み掛けてくれた英二さんをまじまじと見てしまった。
カップから口を離した私に、英二さんはトマトに視線を下ろしたまま続けた。
「最近、痩せたよね」
はっきりと紡がれた、言葉。
だけど、あまりにも普通に、なにげない話をするような表情でそう言われたものだから、それを理解するまでに少しばかり時間を要してしまった。
「え……?」
もちろん、英二さんにとってはなんとなくの流れで口にするような、本当にどうでもいいことなのだろう。
それはわかっているし、世間話のうちのひとつだということもちゃんと理解しているつもり。
それでも、今までのダイエットではすぐに音を上げてことごとくリバウンドを繰り返して来た私にとって、英二さんに痩せたと気付いて貰えたことがとても嬉しくて……。
大袈裟なのかもしれないけど、奇跡のような出来事だった。
まさに天にも昇るようなフワフワとした気持ちになりながら、微笑み掛けてくれた英二さんをまじまじと見てしまった。