狡猾な王子様
「デリカシーとか知るか。そもそも、妹相手にそんなもんいらねぇだろ」


「バカなの?むしろ、バカじゃないの?妹だろうが姉だろうが、ふうちゃんは女の子なんだからね!」


「あー、わかったわかった」


「わかってないでしょ!」


フンッと顔を背けた南ちゃんが、私の手をグイッと引っ張った。


「ふうちゃん、行こう!」


「えっ!?」


「秋なんてひとり寂しく歩いて、石にでもつまずいて畑にダイブすればいいんだよ」


プッと吹き出す私の隣で、秋ちゃんが盛大なため息を漏らす。


秋ちゃんと一歳違いの南ちゃんは、私よりもひとつ年上。


だけど、外見通りとても年上には思えないくらい可愛らしくて、正直妹みたいに思える時もある程だったりする。


「南ちゃん、ごめんね。私は平気だから、秋ちゃんと喧嘩しないでね」


今のは喧嘩という程のものじゃないのはわかるけど、このあとのことを考えると心配になって苦笑すれば、南ちゃんが私にギュッと抱き着いて来た。

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