狡猾な王子様
二杯目のホットショコラは先ほどよりも甘さが和らいでいて、私の感想を参考にしてくれたことがわかった。


一杯目の物も美味しかったけど、私は二杯目の物の方が好みだということを伝えると、英二さんもティーカップに口をつけた。


「うーん、たしかにこっちの方が好まれそうかな。敢えて甘めにしようと思ったけど、甘すぎると食後には重いだろうし」


「ティータイムに飲むならいいと思いますけど」


「残念ながら、うちはカフェはやってないからね」


私の言葉に、英二さんは共感するように頷いてから苦笑した。


「ドリンクというよりデザート感覚で飲んで貰うつもりだったけど、やめとこうかな。俺、そっちの方は得意じゃないし」


「でも、木漏れ日亭は和食メインですし、さっぱりしたメニューが多いから甘くても飲めちゃいそうですけどね」


「それを言われるとまた悩むんだけど」


「あ、すみません」


「ううん、嬉しいよ」


微笑んだ英二さんに釣られて、思わず笑みを浮かべていた。

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