狡猾な王子様
お客さんを見送る英二さんの背中がドアの向こうに消えていくのを見ながら、思わずため息混じりの苦笑が零れた。
彼の振る舞いに、母親ほどの年代の人たちでも頬を赤らめるようにして喜ぶのなら、恋愛経験の乏しい私が簡単に一喜一憂するのはきっとどうしようもない。
さっきのさりげない目配せにすら一瞬ドキッとした自分自身が、なんだか単純すぎるような気がしたけど……。
綺麗な顔立ちと柔らかい笑顔を前にしてドキドキするのは、ここに来る女性の大半が経験していることなのかもしれない。
そう思うことで諦めの悪い自分自身を正当化しているだけなのだとしても、“自分だけじゃない”というのを改めて目にしたお陰で少しだけ安堵した。
「冬実ちゃん、待たせちゃってごめんね」
ぼんやりと考え込んでいた私は、英二さんが店内に戻ってきたことに動揺してしまったけど……。
「あっ、い、いえ!全然大丈夫です!」
彼にフワリと微笑まれた瞬間、動揺なんて吹き飛んで胸の奥がキュンキュンと震えた。
彼の振る舞いに、母親ほどの年代の人たちでも頬を赤らめるようにして喜ぶのなら、恋愛経験の乏しい私が簡単に一喜一憂するのはきっとどうしようもない。
さっきのさりげない目配せにすら一瞬ドキッとした自分自身が、なんだか単純すぎるような気がしたけど……。
綺麗な顔立ちと柔らかい笑顔を前にしてドキドキするのは、ここに来る女性の大半が経験していることなのかもしれない。
そう思うことで諦めの悪い自分自身を正当化しているだけなのだとしても、“自分だけじゃない”というのを改めて目にしたお陰で少しだけ安堵した。
「冬実ちゃん、待たせちゃってごめんね」
ぼんやりと考え込んでいた私は、英二さんが店内に戻ってきたことに動揺してしまったけど……。
「あっ、い、いえ!全然大丈夫です!」
彼にフワリと微笑まれた瞬間、動揺なんて吹き飛んで胸の奥がキュンキュンと震えた。