狡猾な王子様
「あのね、さっきタンスを見た時に目に入っちゃったんだけど……。あの手袋って、ふうちゃんが買ったの?」
「えっ……」
南ちゃんの問い掛けに詰まった私の頭の中は、まだ一度も使用していない手袋のことでいっぱいになった。
そんな私の態度で答えを察したらしい彼女は、訊いてはいけないことを口にしたのだと思ったのかもしれない。
「あ、言いたくないんだったらいいんだよ?ただ、ブランド物をふうちゃんが自分で買うとは思えないから、ちょっと気になって……」
すぐにそんなことを言うと、チラッとタンスを一瞥した。
トレーナーやニットと同じ場所にしまってある、マフラーや手袋。
服から小物に至るまで、私の持ち物はどれも地味だったりシンプルだったりする中、ひとつだけ明らかに可愛いデザインの手袋が目立たないわけがない。
それは、ブランド物なんて私には勿体ない上に似合わないとわかっているから使う勇気が出ないという気持ちから、まだ一度も使用しないままタンスで眠らせている物だった。
「えっ……」
南ちゃんの問い掛けに詰まった私の頭の中は、まだ一度も使用していない手袋のことでいっぱいになった。
そんな私の態度で答えを察したらしい彼女は、訊いてはいけないことを口にしたのだと思ったのかもしれない。
「あ、言いたくないんだったらいいんだよ?ただ、ブランド物をふうちゃんが自分で買うとは思えないから、ちょっと気になって……」
すぐにそんなことを言うと、チラッとタンスを一瞥した。
トレーナーやニットと同じ場所にしまってある、マフラーや手袋。
服から小物に至るまで、私の持ち物はどれも地味だったりシンプルだったりする中、ひとつだけ明らかに可愛いデザインの手袋が目立たないわけがない。
それは、ブランド物なんて私には勿体ない上に似合わないとわかっているから使う勇気が出ないという気持ちから、まだ一度も使用しないままタンスで眠らせている物だった。