狡猾な王子様
胸の奥から込み上げてきたのは、情けなさと罪悪感。


きっと、私はとても自分勝手だった。


もし、私の好きな人たちが自分自身のことを卑下していたら、とても悲しい。


その人が自分自身のことをどう思っていようと、きっと『そんなことないよ』って必死に伝えたくなるし、そんな風に思わないで欲しいと感じてしまうだろう。


そんなこと、少し考えれば気づけることなのに……。


自分自身を好きになれない私は、いつも心のどこかでは“私なんか”って思う気持ちがあって、時にはそれを口に出すことだってあった。


だけど……。


それは、私を大切に育ててくれた家族や私のことを好きでいてくれる人たちにとっては悲しいことだったはずだし、その人たちに対して失礼なことだった。


そして、たった今その言葉を聞いた南ちゃんだって悲しんでくれているからこそ、私にそれを教えてくれたのだ。


「ごめんなさい……。私……」


後悔と反省の気持ちからごく自然と漏れた謝罪は、静かな部屋にそっと落ちた。

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