狡猾な王子様
ゆっくりと動き出した車は、あっという間に駐車場の敷地から出て見えなくなった。
その様子を立ち尽くしたまま見つめていた私は、英二さんとおばあさんの間には深い溝があるのだろうということを思い知って……。
彼が自分のことを少しだけ話してくれた時に、『冬実ちゃんの家族は仲がいいみたいだから、こんなの想像できないだろうね』と言われたことを思い出した。
ほんの数分の会話で、英二さんのおばあさんの人柄なんてわからない。
彼らの間には私の知らない時間がたくさんあって、積み重ねてきたそのすべてが厳しいだけのものだったとも思えない。
だけど……。
今は英二さんに言われた言葉の意味をあの時よりもずっと重く受け止めていて、うちがいかに温かい家庭環境なのかということを改めて感じている。
たまに煩く感じてしまうほど毎日賑やかで、時には誰かと誰かが喧嘩をすることもあるけど、いつだって明るい笑顔が絶えない。
それがどんなに恵まれていることなのかを、今はとても身に染みていた。
その様子を立ち尽くしたまま見つめていた私は、英二さんとおばあさんの間には深い溝があるのだろうということを思い知って……。
彼が自分のことを少しだけ話してくれた時に、『冬実ちゃんの家族は仲がいいみたいだから、こんなの想像できないだろうね』と言われたことを思い出した。
ほんの数分の会話で、英二さんのおばあさんの人柄なんてわからない。
彼らの間には私の知らない時間がたくさんあって、積み重ねてきたそのすべてが厳しいだけのものだったとも思えない。
だけど……。
今は英二さんに言われた言葉の意味をあの時よりもずっと重く受け止めていて、うちがいかに温かい家庭環境なのかということを改めて感じている。
たまに煩く感じてしまうほど毎日賑やかで、時には誰かと誰かが喧嘩をすることもあるけど、いつだって明るい笑顔が絶えない。
それがどんなに恵まれていることなのかを、今はとても身に染みていた。