狡猾な王子様
「変わった人ね。……私なら、わざわざ追いかけないわよ」
自嘲混じりに聞こえたのは気のせいではなかったと思うけど、佐武さんの声はいつものように少しだけ冷たかったから、気づかない振りをする。
「私、あなたみたいに俯いてばかりの人は嫌いなの。外見を磨く努力をしないところも、おどおどしてるところも、イライラさせられるから」
それなのに、彼女は相変わらずとも言える容赦のない言葉を口にし始めたから、さすがに心にグサグサと刺さったけど……。
「正直、あなたのことは目障りくらいに思ってた」
ここまではっきりと嫌悪感を見せられると、いっそ清々しくも思えてくる。
もちろん心が折れそうにはなっているけど、この感じも最後だと思えば耐えられそうだった。
「でも、今のあなたのことは、そんなに目障りでもないわ」
ところが、不意に佐武さんの声音が和らぎ、空耳かと思うような台詞が耳に届いた。
「え?」
恐らく褒め言葉だとは思うけど、どう受け取ればいいのかわからなかった。
自嘲混じりに聞こえたのは気のせいではなかったと思うけど、佐武さんの声はいつものように少しだけ冷たかったから、気づかない振りをする。
「私、あなたみたいに俯いてばかりの人は嫌いなの。外見を磨く努力をしないところも、おどおどしてるところも、イライラさせられるから」
それなのに、彼女は相変わらずとも言える容赦のない言葉を口にし始めたから、さすがに心にグサグサと刺さったけど……。
「正直、あなたのことは目障りくらいに思ってた」
ここまではっきりと嫌悪感を見せられると、いっそ清々しくも思えてくる。
もちろん心が折れそうにはなっているけど、この感じも最後だと思えば耐えられそうだった。
「でも、今のあなたのことは、そんなに目障りでもないわ」
ところが、不意に佐武さんの声音が和らぎ、空耳かと思うような台詞が耳に届いた。
「え?」
恐らく褒め言葉だとは思うけど、どう受け取ればいいのかわからなかった。