狡猾な王子様
「みちると兄貴は最初から両想いで、俺の入る隙なんてなかった。でも、俺は結婚した時ですら祝福もしてあげられなかったくらい子どもで、ふたりの気持ちを知った時からみちるには冷たくすることしかできなくて、泣かせてばかりだったんだ……」
過去を語る英二さんの横顔は切なげで、つられるように胸の奥が締めつけられた。
「そのままふたりとはどんどん距離ができて、実家を出る頃にはみちるとは話もしなかった。それでも、俺を可愛がってくれてた兄貴は気にかけてくれていて、店を出す頃からは連絡を取るようにもなったんだけど、みちるのことがあったから会う気にはなれなくて……」
「俺の独りよがりなんだけどね」と苦笑されて、眉を下げながら首を小さく横に振った。
「みちるがここに来るようになったのは、オープンして一ヶ月が経った頃だった。驚いたけど、兄貴から聞いたこともみちるの独断だってことも、すぐにわかったよ」
それが精一杯だった私に、彼はどこかおかしそうにフッと微笑み、間を置かずに話を続けた。
過去を語る英二さんの横顔は切なげで、つられるように胸の奥が締めつけられた。
「そのままふたりとはどんどん距離ができて、実家を出る頃にはみちるとは話もしなかった。それでも、俺を可愛がってくれてた兄貴は気にかけてくれていて、店を出す頃からは連絡を取るようにもなったんだけど、みちるのことがあったから会う気にはなれなくて……」
「俺の独りよがりなんだけどね」と苦笑されて、眉を下げながら首を小さく横に振った。
「みちるがここに来るようになったのは、オープンして一ヶ月が経った頃だった。驚いたけど、兄貴から聞いたこともみちるの独断だってことも、すぐにわかったよ」
それが精一杯だった私に、彼はどこかおかしそうにフッと微笑み、間を置かずに話を続けた。