センチメンタル*宅配便
「キスって不思議だね。お姉さんとお別れしなくちゃって思うとすごく辛いのに、キスをするとそんな不安も無くなるよ。きっとお姉さんと気持ちが繋がっている感じがするのかな?」
「だから明日の夜になるまでたくさんのキスをしよう」と君は提案した。
私は笑って頷くと、「じゃあ、早速」と君はちゅっと可愛らしい音を立てて、キスをくれた。
キスをしても、君をどんなに好きでも、君も同じ気持ちでいてくれても、最後の一線は越えなかった。
君があまりにも無垢で美しくて、君の体に触れてしまったら、君が汚れてしまいそうに思えた。
それに、これ以上深い関係になったら、私が君を放したくなくなる。
君を困らせたくなかった。
窓の外がぼんやりと白ずんできた頃、君は寝息を立て始めた。
いつの間にか雨は上がっていたみたいだ。
いつもはどこかに帰って行く君が隣で眠っているのが信じられなかった。
タンポポの綿毛のような柔らかい銀色の髪を撫でると、楽しい夢を見ているのかくすりと君は笑った。
少しはだけた浴衣の胸元からは鳩が封印されているというオパールのペンダントが覗いている。
肌は白く、美しい。
せめて、今の君を記憶に留めたくて、一枚だけ、君の寝顔の写真を撮った。
君の華奢な手を握りしめて、ベッドに潜り込む。
誰かのぬくもりがあるベッドは心地良かった。
そのまま私も眠りについた。