センチメンタル*宅配便
「・・・本当はさ、自殺しようと思ってたでしょ?」
ノドの奥が急に乾いて、声が出せなくなった。
何で、それを知ってたの?
全てを見透かすように優しいまなざしで私を見つめる赤い瞳。
「ごめん、お姉さんが寝てる時、ベッドサイドの引き出しに入ってるの見つけちゃったんだ。これって睡眠薬だよね?」
君がパーカーのポケットの中から小さな錠剤の入った瓶を取り出した。
「不眠症なワケじゃないよね?」
私は頷いた。
「そうだったら必要ないよね?これはボクが海に捨てるから」
そう言うと、君は立ち上がり、キャッチボールをするみたいに大きく振りかぶって、右手に持った瓶を海に向かって放った。
瓶は弧を描いて夜の海に消えていった。
私は君に言葉を返せないまま、静かに泣いた。
そう、君の言う通り、私は死ぬためにここに来た。
人の少ない過疎化した田舎町を選んで、睡眠薬を飲んで夜の海に入れば、誰にも気付かれず、楽に死ねると思ってた。
ここで、夜の海を眺めて、最期の時を過ごそうと思ってた。
君に出会うまでは・・・