シンデレラのSweetなお時間



しっかりと掴む、その大きな手。

骨ばった硬い手が指先まで包み込み、じんわりとほのかな体温を伝える。



「…冷たいな、手」

「…れ、玲二さんの手の方が温かいなんて珍しいですね」

「そうか?」

「いつも、背中ポンッてする時は冷たいですもん」

「…それだけ今、お前の体が冷えているということだろう」

「……」



冷たさを奪うように、握られる手。



(…初めて、かもしれない)



彼の体温をこうして直に感じること。

服越しに抱き締められた時とはまた違う、直接伝う肌が気持ちをまた大きく動かす。



好き

彼が、好き

愛おしい

もっと触れたい、離したくない



もっと もっと もっと、

全てに、触れてー…





「……」

「…、」



無言のまま見つめ合い、ほんの少し近付く顔の距離。



< 178 / 273 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop