逆ハーレムに巻き込まれました。
委員長は怒ると怖いです
■5■
その日の夜。
「さて皆さん。今日は忙しい中お集まり頂きありがとうございます」
以前、私とクリュウの歓迎会を開いてもらった多目的室の黒板の前で、アレン君が口を開いた。
今日この場に集まったのは、私、リタ、サクヤ先輩、リョウ先輩、ヒース君、ユウリ君、シェイド君。
要するに、いつもの逆ハーレムメンバーだ。
ちなみにクリュウは、この場にはいないけど私と聴覚を共有させて参加している。彼は犯人捜しを継続するらしい。
……夜の学校なんて、誰も来ないと思うんだけどなぁ。
「今回集まって頂いたのは、他でもありません。そこにいるセリナさんとリタさんが今朝、何者かの嫌がらせを受けた件についてです」
アレン君は背筋をピンと伸ばして、驚く皆に淡々と今回の説明をしていく。
微笑すら浮かべて話すアレン君を見ながら、私は保健室で彼が言った言葉を思い出した。
『僕の大切なクラスメイト……しかも女子二人を傷つけるなんて、委員長として絶っっっ対に許しません』
……どす黒い笑顔でその宣言をされた瞬間、思わず見知らぬ犯人に心の中で『ご愁傷様です』と唱えてしまった私は悪くないと思う。
そんな委員長は現在、皆にむかって呼びかけている最中だった。