逆ハーレムに巻き込まれました。
「リタさんとセリナさんを傷つけた奴を、許せないとは思わないか!」
『おぅ!』
「捕まえたいとは思わないか!」
『おぅ!』
「ならば……協力してくれるか!?」
『もちろん!』
委員長の呼びかけに合わせて、怒りのオーラを纏った男子達が拳を掲げて賛成の意を示す。
っていうかアレン君、誘導するの上手だな!もしかして、彼なら洗脳とかも軽々できるんじゃないだろうか!うわ、本当に出来そうで怖い!
後ろで戦慄している私に全く気付いていない彼は、皆に向かって満足げに頷いてみせると
「では、今回の作戦を発表するので心して聞いて頂きたい!
また、聞いた後で作戦に対し質問がある場合は挙手した上で発言すること!」
『了解!』
「よし、それでは会議を始めよう。まず……」
生徒会長すら従えて、堂々と発言を始めるアレン君。
転校してから一か月、初めて委員長の本気を見た気がした。
……ちなみにこの時、リタは笑顔を浮かべたまま黙って事の成り行きを見守っていた。
さすが(無自覚だが)逆ハーレムの女王。私なんかより余程肝が据わっているようだ。