逆ハーレムに巻き込まれました。
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委員長の作戦は、こうだ。
今から二週間後、ガルヴァールでは『大討伐』というイベントが行われるのだそうだ。
『大討伐』の内容はいたってシンプル。
学園内の生徒で4人1組のグループを作り、ガルヴァール魔法学園の西にある森で魔物を狩る。
そして、より強く大きい獲物を持って帰ってきたグループが優勝なのだそうだ。
その『大討伐』に、今ここにいる8人でグループを作って出場しようというのが今回の作戦だ――ただし、逆ハーレム編成で。
「まぁ簡単に言うと囮作戦だよね。あえて僕たちがリタさんとセリナさんを優遇する姿を見せつけて犯人の怒りを誘い、『大討伐』の時におびき出して捕まえる」
「はいセンセー」
「なんでしょうかシェイド君」
「グループを組むのはいいんですけど、それまでリタとセリナ姉さんの嫌がらせが酷くなったりしませんか?」
律儀に手を挙げて質問するシェイド君。
そんなシェイド君に
「そんな事はさせません」
アレン君が笑顔で言い切った。
その自信満々な態度に、全員が軽く目を見開く。