上司のヒミツと私のウソ
「コピー機の周り、すっきりしましたよね。西森さんが片付けてくれたんですか」

「うん。コピー用紙はなるべく湿気の少ないところに保管したほうがいいから。あ、場所がわからなかったら聞いてね」

「俺、昨日倉庫に行ってみて驚いたんですけど、めちゃくちゃきれいに片付いてますね。西森さんが三日間かけて整理したって聞いたんですけど、ほんとですか」


 今度は三好くんが、頭を突き出すようにして喋る。


「それ、誰に聞いたの」

「矢神課長です」


 安田が隣でじっと私の表情をうかがっているのがわかる。


「私だけじゃないけど。安田さんと一緒に片付けたんだよ」

「へー。すごい勇気ありますね。あの倉庫、あんまりひどいんで誰も手をつけられなかったんですよ」


 無理矢理やらされたのよっ、と喉まで出かかった台詞を必死で抑える。正面で、安田が笑いをかみ殺しているのが見えた。


「お先に」


 トレイを持って、安田はさっさとテーブルを離れた。どうせこれから屋上に行って、ゆっくり一服するのだろう。ちくしょ、うらやましい。

「あのう」

 安田が食堂から出ていくと、黙っていた松本さんがおずおずと声をかけてきた。
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