上司のヒミツと私のウソ
「やっとわかった。あんたが最近おかしな目で私のこと見てた理由。なに、どういう経緯でそんな結論に達したわけ? 聞かせてごらん」
私は安田と矢神が企画部でうわさになっていることを話した。新年会を二人で抜け出したことや、その翌日安田が同じ服で出社したことも。荒谷さんと松本さんの名前は伏せておいた。
話を聞き終えると、安田は神妙な顔つきでしばらく黙っていた。それから、両手で頭を抱えて階段に座り込み、「参ったな」といった。
「見られてたんだ」
「じゃ、本当なのね」
私は無意識に呼吸を整えながら聞いた。
「本当だけど、みんなが考えてるようなことじゃないから」
安田がゆるゆると顔を上げた。私は意表を突かれる。安田の顔は真っ赤だった。
「酔って気分が悪くなったの。風邪気味で体調が悪かったこともあるけど、トイレに立ったら自分でも信じられないくらいふらふらになっちゃってて。課長がこっそり店から連れ出してくれたから誰にも気づかれずにすんだけど、そのあと前後不覚に陥ってなにも覚えてなくて、気がついたら朝で……」
両手で顔を覆うと、安田はぼそぼそとつぶやいた。
私は安田と矢神が企画部でうわさになっていることを話した。新年会を二人で抜け出したことや、その翌日安田が同じ服で出社したことも。荒谷さんと松本さんの名前は伏せておいた。
話を聞き終えると、安田は神妙な顔つきでしばらく黙っていた。それから、両手で頭を抱えて階段に座り込み、「参ったな」といった。
「見られてたんだ」
「じゃ、本当なのね」
私は無意識に呼吸を整えながら聞いた。
「本当だけど、みんなが考えてるようなことじゃないから」
安田がゆるゆると顔を上げた。私は意表を突かれる。安田の顔は真っ赤だった。
「酔って気分が悪くなったの。風邪気味で体調が悪かったこともあるけど、トイレに立ったら自分でも信じられないくらいふらふらになっちゃってて。課長がこっそり店から連れ出してくれたから誰にも気づかれずにすんだけど、そのあと前後不覚に陥ってなにも覚えてなくて、気がついたら朝で……」
両手で顔を覆うと、安田はぼそぼそとつぶやいた。