上司のヒミツと私のウソ
「だから……ああいうことを面と向かっていわれると、俺のせいかとおもって焦る」
いいにくそうに、矢神がうつむきながらそう打ち明けたとき、私ははじめて矢神の素顔に触れた気がした。
ひょっとしてこのひとは、ものすごく無器用なんじゃないだろうか。
ウソ百パーセントの自分と、ホンネ百パーセントの自分しか、持ち合わせていないんじゃないだろうか。ちょっとウソをついてごまかすとか、ちらっと本音をのぞかせてみるとかいう芸当が、できない性格なのかもしれない。
だから、あそこまで完璧な表と裏の使い分けが必要なんだ。
それはたぶん、私自身にもいえること。
「自信がなかったんです、私」
本当はぜんぶ矢神のせいだけど、それはいわなくてもいいことだ。私だけがわかっていればいい。
「本間課長にダメ出しされて、落ち込んでしまって。でも、諦めたくないです。ずっと企画の仕事がやりたかったし……やっと、それがかなうところまできたんだし」
これは、本音。
いいにくそうに、矢神がうつむきながらそう打ち明けたとき、私ははじめて矢神の素顔に触れた気がした。
ひょっとしてこのひとは、ものすごく無器用なんじゃないだろうか。
ウソ百パーセントの自分と、ホンネ百パーセントの自分しか、持ち合わせていないんじゃないだろうか。ちょっとウソをついてごまかすとか、ちらっと本音をのぞかせてみるとかいう芸当が、できない性格なのかもしれない。
だから、あそこまで完璧な表と裏の使い分けが必要なんだ。
それはたぶん、私自身にもいえること。
「自信がなかったんです、私」
本当はぜんぶ矢神のせいだけど、それはいわなくてもいいことだ。私だけがわかっていればいい。
「本間課長にダメ出しされて、落ち込んでしまって。でも、諦めたくないです。ずっと企画の仕事がやりたかったし……やっと、それがかなうところまできたんだし」
これは、本音。