上司のヒミツと私のウソ



 日曜日は一日中ぼんやりして過ごした。

 月曜日はなにもなかったように自然に振る舞おうとしてハイテンションになりすぎた。


 そして火曜日。


 二月十四日、バレンタインデー。

 プロポーズの返事をする日。

 場所はこのまえのレストラン。

 約束は午後七時。


 朝からそのことを考えると心臓が爆発しそうな勢いで脈を打ち、頭の中はパニックを起こしてすべての思考が止まってしまう。

 私は一心不乱に仕事をして、考えるひまを与えないようにした。だけどこういうときに限って抱えている仕事は少なく、簡単に片付いてしまうものなのだ。

 自分の仕事が済むと後輩の仕事を手伝い、それも済むと頼まれもしない部内のデータファイルの整理や備品の補充をした。


 こんなことで取り乱すなんて、自分が自分じゃないみたいだった。
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