上司のヒミツと私のウソ
私たちは、花壇を見下ろす二階のテラス席に案内された。
ほどよく風が通って気持ちがいい。
彼は案内したウェイターとは顔なじみらしく、にこやかに世間話をしている。
店の中にはちらほらと客が見えたけれど、ランチの時間帯にはまだ早いせいか、混んではいなかった。
オーダーを取りにきたウエイターに日替わりランチを二人分頼むと、私は居心地の悪さに身じろぎした。
矢神と付き合っていたころのことを、嫌でも思い出してしまう。
テーブルを挟んで向かい合う男は、“表”のときの矢神と瓜二つだった。
「さあ、なんでも聞いてくれてかまいませんよ。あなたが知りたいことはなんです?」
彼は興味本位ともおもえる熱心な視線を向けてくる。
「私はべつに、なにも……」
「聞きたいことがあるから、僕についてきたんじゃないんですか?」
そのとおりだった。
けれども、なにがと問われると答えられない。本心は、矢神に関することはすべて知りたいとおもっているから。
ほどよく風が通って気持ちがいい。
彼は案内したウェイターとは顔なじみらしく、にこやかに世間話をしている。
店の中にはちらほらと客が見えたけれど、ランチの時間帯にはまだ早いせいか、混んではいなかった。
オーダーを取りにきたウエイターに日替わりランチを二人分頼むと、私は居心地の悪さに身じろぎした。
矢神と付き合っていたころのことを、嫌でも思い出してしまう。
テーブルを挟んで向かい合う男は、“表”のときの矢神と瓜二つだった。
「さあ、なんでも聞いてくれてかまいませんよ。あなたが知りたいことはなんです?」
彼は興味本位ともおもえる熱心な視線を向けてくる。
「私はべつに、なにも……」
「聞きたいことがあるから、僕についてきたんじゃないんですか?」
そのとおりだった。
けれども、なにがと問われると答えられない。本心は、矢神に関することはすべて知りたいとおもっているから。