上司のヒミツと私のウソ
「いやー、たいしたことやないんやけどね」
「なんですか? 教えてください」
「本当にたいしたことやないから」
「じゃあ、教えてくれてもいいんじゃないですか」
「矢神が話してへんのに、俺から話すのはどうかとおもうけどなあ」
本間課長はそういいながらも、隠し通すことをあきらめたようだ。
「競合他社の一社──近江飲料が、九月の新製品でアーモンドキャラメルティーを発売するらしい。そのCMに、相模詩乃が起用されるといううわさや」
「そんな……」
キャラメルミルクティーのCMに出演させるタレントは、モデルの相模詩乃と決めていた。この企画に合うのは彼女しかいない。
「まだそうと決まったわけやない。あんたんとこの課長が、今それを確かめに行ってる」
そんなことが起きているなんて、知らなかった。
矢神はひとこともいってくれなかった。
私にはなにも知らせずに、勝手にひとりで大阪へ行って。
「心配せんでもええって。こういうことはよくあるんや。なんとかなる」
本間課長はあっけらかんといい、私の肩をぽんと叩いて非常階段を降りていった。
「なんですか? 教えてください」
「本当にたいしたことやないから」
「じゃあ、教えてくれてもいいんじゃないですか」
「矢神が話してへんのに、俺から話すのはどうかとおもうけどなあ」
本間課長はそういいながらも、隠し通すことをあきらめたようだ。
「競合他社の一社──近江飲料が、九月の新製品でアーモンドキャラメルティーを発売するらしい。そのCMに、相模詩乃が起用されるといううわさや」
「そんな……」
キャラメルミルクティーのCMに出演させるタレントは、モデルの相模詩乃と決めていた。この企画に合うのは彼女しかいない。
「まだそうと決まったわけやない。あんたんとこの課長が、今それを確かめに行ってる」
そんなことが起きているなんて、知らなかった。
矢神はひとこともいってくれなかった。
私にはなにも知らせずに、勝手にひとりで大阪へ行って。
「心配せんでもええって。こういうことはよくあるんや。なんとかなる」
本間課長はあっけらかんといい、私の肩をぽんと叩いて非常階段を降りていった。