上司のヒミツと私のウソ
可能性は薄いが、もしかしたら律子さんがなにか知っているかもしれない。
時刻は九時をまわっており、企画部で残っているのは俺と安田麻琴のふたりだけだった。
安田をおいて先に帰るわけにもいかないので、それとなくようすを見ながら安田が仕事を終えるのを待っている。
社員の中には、仕事もないのに居残って残業代を稼ごうとするこすっからい連中がいるが、安田は残業をよろこばないタイプだ。今は、急ぎの仕事は抱えていないはずなのだが。
「西森さんのことなんですけど」
突然、話しかけられる。
見ると、さっきまでパソコンのモニターを見つめていた安田が、体ごとこちらを向いて神妙な面持ちをしている。
「なんでしょう」
「最近、帰りが遅いようにおもうんです」
「そうですね」
「朝にしても、かなり早く来てるみたいですし」
「はあ」
気の抜けた返事をすると、安田はきれいに整った眉をかすかにしかめた。席を立ってこちらへやってくる。
時刻は九時をまわっており、企画部で残っているのは俺と安田麻琴のふたりだけだった。
安田をおいて先に帰るわけにもいかないので、それとなくようすを見ながら安田が仕事を終えるのを待っている。
社員の中には、仕事もないのに居残って残業代を稼ごうとするこすっからい連中がいるが、安田は残業をよろこばないタイプだ。今は、急ぎの仕事は抱えていないはずなのだが。
「西森さんのことなんですけど」
突然、話しかけられる。
見ると、さっきまでパソコンのモニターを見つめていた安田が、体ごとこちらを向いて神妙な面持ちをしている。
「なんでしょう」
「最近、帰りが遅いようにおもうんです」
「そうですね」
「朝にしても、かなり早く来てるみたいですし」
「はあ」
気の抜けた返事をすると、安田はきれいに整った眉をかすかにしかめた。席を立ってこちらへやってくる。