上司のヒミツと私のウソ



 社内ですれ違っても、彼は目を合わせようとしなかった。

 これまでも、無闇に話しかけるようなひとじゃなかったけれど、一瞬だけ視線を交わしたり、人知れず合図を送ってくれたりしたことは何度もあった。


 こんなふうに、完璧に無視されることは、今までなかった。

 まるでもう二度と顔を見たくないとでもいうように、彼は私を拒絶した。


 当然だ。

 そうされても仕方がないことを、私はしたのだ。


 三年前だった。


 眠れない夜、たまたまテレビをつけたら、ドキュメンタリー番組をやっていた。

 とある飲料メーカーで、売り上げが伸びない緑茶飲料の起死回生プロジェクトに関わる人々を密着取材したものだった。
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