上司のヒミツと私のウソ
 適当なことをいってすませようとする安田に、無性に腹が立った。安田のせいじゃない。でも、こうなってよかったなんて、とてもおもえない。


「八つ当たりはやめてよね。あんた、なんか勘違いしてんじゃないの。自分をさらけ出して壊れるような付き合いなら、所詮その程度の仲だったってことでしょ」

 安田のいうことはいちいちもっともで癪に障る。


 わかってる、そんなことくらい。


 そしてあろうことか、私はその事実に傷ついてさえいる。


 安田はすばやくそれを察し、さらに追い打ちをかけた。

「ばっかみたい。今さら落ち込んじゃって。自業自得でしょ」

「わかったからもう黙ってて!」

 私は携帯灰皿に吸いかけの煙草を押しつけ、足早にその場から去った。
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