上司のヒミツと私のウソ
 いつも元気で明るい三人だけれど、今日は少しようすがおかしい。私たちをのぞき見る顔は神妙そのものだった。

「いいけど」

 安田は食べかけのサラダを口に運びながら、面倒くさそうに答える。

 彼らの態度がいつもとちがうことなど、安田にとってはどうでもいいことらしい。


「なんか、うちの課やばいみたいですけど」

 テーブルにつくなり、三好くんが小声で切り出した。


「やばいって、なにが」

 安田は飄々としている。


「統合されるかもしれないんです。情報企画と」

「誰に聞いたの」

「ええっと、荒谷さんです」


 うわさ好きの荒谷さんは販売企画課のメンバーで、三好くんとは同期で仲がいい。

 でも、うわさの出所が荒谷さんとなると、あまり信用できない気もする。

 彼女は、矢神と安田が付き合っているというデマを流した前歴があるのだ。
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