上司のヒミツと私のウソ
「全員そろったようなので、始めます」

 マイクを通して本間課長の声が響く。

 会議室の電灯が落とされ、正面のスクリーンにプロジェクタが投影する資料が映し出される。


「本プロジェクトは、紅茶をベースにした健康志向の清涼飲料という新しいカテゴリにおける新ブランド構築を目指すものです。なお、プロジェクトマネージャーは矢神くん、プロジェクトリーダーは私、本間が担当します」


 商品に関するマーケティングデータや、各部門の役割、スケジュールなどがつぎつぎと発表される。

 あまりにも突然で、予想外だったためか、誰も口を挟めない。

 資料の投影がひととおり終わると、天井の蛍光灯が瞬いた。


「なにか質問は」


 本間課長が出席者を見回して声をかける。

 手を挙げたのは、情報企画の進藤さんだ。


「今回の商品企画は開発部から出されたもののようですが、プロジェクトの主導権は開発になりますか。それとも企画ですか」


 何人かがしきりにうなずいている。
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