上司のヒミツと私のウソ
 俺の表情を読み、露骨に嫌そうな顔をする。


「冗談ですよね」

「いや、本気」

「私は契約社員ですよ。半年以上の長期プロジェクトに参加する資格がないことは、課長も知ってるはずです」

「だから、正社員にならないかといってる」

「その話は前にお断りしました」

「もう一度、考えてみてくれないか」


 食べ終えた弁当の箱をカサカサと片付けながら、安田は冷めた溜息を漏らした。


「課長は理解してくれてるとおもってたんですけどね」


 胸の中でカツンと固いものがぶつかる音がして、やはり早すぎたのかと後悔の念が渦巻いた。

 ペットボトルの麦茶と、空の弁当箱を入れたコンビニ袋を手に安田がすうと立ち上がる。


「来週の契約更新までに、考えてくれ」


 安田は返事をしなかった。
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