上司のヒミツと私のウソ
 私は意気消沈して、プロジェクタにつないでいたパソコンをのろのろと片付けていた。


 おもいだしたように残業の疲れと眠気が襲いかかってくる。安田は代理店について質問するため、本間課長を追いかけて先に会議室を出ていった。

 もたもたしていると矢神とふたりきりになってしまう。私はあわててパソコンを片付ける手を早めた。


「西森」


 突然、テーブルの向こうから名前を呼ばれた。ぎょっとして顔を上げると、矢神がまだ席についている。

 いつのまにかふたりきりになっていた。

 まずい。怒られる。


「三つめの案を考えたのはおまえか」

「いえっ、はい、その、これはもういいです。とり下げます。すみません、変なもの出しちゃって。忘れてください」


 昨夜はとてもいいアイデアのようにおもえたのに、今はとんでもなく見当違いなことをしたようで、恥ずかしい。
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