上司のヒミツと私のウソ
「二十代後半の貴重な時間を、四年も既婚者に捧げるなんて。自分でもバカだなっておもう。いまも悩んでるし、別れなきゃっていつも考えてる。でも、最後は会いたいとおもう気持ちに負けちゃうんだよね」
「どうして……」
安田はつかのま言葉を探すように黙り、そしてあきらめた。
「答えられない。だって理由がないもん。いくら考えても、会いたい気持ちに理由は見つけられないよ。そうでしょ?」
鋭い視線を投げられ、どきりとした。
「いつか別れるときがくるまで、その理由のない気持ちに素直に従うことにしたの。そのときがきたら、彼は家族のもとに帰って、私は帰る場所を失う。きっと死ぬほど後悔するだろうけど」
だから、とためらいがちに安田がいった。
「私には、あんたの恋愛に意見する資格なんてないの。他人に背中向けて生きてるのは、私のほうだもん」
迷う瞳を見せまいとするように、安田は目を伏せた。
「私はただ、あんたがうらやましかっただけよ」
「どうして……」
安田はつかのま言葉を探すように黙り、そしてあきらめた。
「答えられない。だって理由がないもん。いくら考えても、会いたい気持ちに理由は見つけられないよ。そうでしょ?」
鋭い視線を投げられ、どきりとした。
「いつか別れるときがくるまで、その理由のない気持ちに素直に従うことにしたの。そのときがきたら、彼は家族のもとに帰って、私は帰る場所を失う。きっと死ぬほど後悔するだろうけど」
だから、とためらいがちに安田がいった。
「私には、あんたの恋愛に意見する資格なんてないの。他人に背中向けて生きてるのは、私のほうだもん」
迷う瞳を見せまいとするように、安田は目を伏せた。
「私はただ、あんたがうらやましかっただけよ」