孤独と嘘と愛に騙されて。


" 何があったの "

そんなありきたりな質問は
今の彼に聞くことなんてできなくて
私は、小さく震える彼を抱き返してあげることしかできなかった。
だって彼は、私が質問する前に
自分から話をしちゃうから。



「 春、さ。また先輩とキスしてた。 」


簡潔に述べる廉くん。
彼の顔は私の肩にあって、表情は見えないけど
見えているような気がして苦しかった。
私は彼の苦しみを分かち合うことしかできない。
そんなの分かってるのに、
胸のどこかがズキズキ痛んで苦しい。



「 そっか 」


私はそれだけ言うと、今よりもさらに
抱きしめる力を強くした。
今の私が何を言っても彼の心は傷つくだけ。
ならば行動で彼を守るしかない。
私はここにいるよ。
みんながあなたの敵となっても
私はあなたのすぐそばにいるから。
そう、伝えるように。
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