孤独と嘘と愛に騙されて。

これはまずい。
廉くんのことだから
洋服選ぶの手伝うとか言いだすに決まってる。


「 いや~結構です。 」


にこやかに笑みを浮かべて
やんわり断ってみたものの、
やんわりじゃ意味がはなかった。
廉くんはいたずら好き。
断ったらさらにやりたがる子供。

そして案の定、


「 で~?どんな服がいいの? 」


さらっと私の左手をすくい、
あの店?この店?
と、どんどん脚を進めていく。
急に繋がれた左手に私の心臓はどくんと飛び跳ねた。
このドキドキは、
廉くんが好きだから?
それとも玲太との関係がばれるのが怖いから?
ううん。
まず一番最初の選択肢は違うはず。


私は
" 彼ら " のこと
好きになったりしない。
こんなの、恋じゃないから。


そう自分の心に言い聞かせた私は、
今の関係をこじらせてしまわないよう、
自然にふるまうことにした。



「 か、可愛い感じ、とか? 」


本心とは全く逆なことを言ってみたりして
私は、
どんどんどんどん
嘘を重ねていく。


「 んー、あそこの店は?似合うんじゃん? 」


その嘘に騙される廉くん。
これくらいの嘘、なんてことない。
私は正しいことをしてる。
嘘には嘘で戦うの。
春先輩が大好きで仕方ない廉くんの
心の片隅にちょこんと居座る私。
いつかは抜け出さないといけないこの空間で
私は嘘の愛に騙され続ける。
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