もう一度抱いて
俺達は午後からスタジオに入った。


こうしてこのペンションで練習出来るのも、今日と明日を残すのみとなった。


東京に戻ってからも、スタジオに入る毎日になりそうやけど。


それにしても。


二人で散歩に行く言うてたキョウセイと里桜ちゃんは、思ってたより随分早う帰って来て。


もっとゆっくりして来ても、誰も文句は言わへんのにな。


みんなわかってんねや。


口には出さへんけど。


里桜ちゃんがキョウセイを好きなこと。


多分キョウセイも。


里桜ちゃんを好きなんやろなって…。





散歩から帰って来た里桜ちゃんは、なんややたらテンションが高うて。


スタジオでも絶好調やった。


ずっと笑っとって、みんなやキョウセイとも仲良う話しとった。


わかりやすい子やからな。


こりゃなんかエエことがあったんやろな。


もしかして、思いが通じ合えたんか?


またキスでもしたとか。


あとで、からかったろ。


里桜ちゃんからかうんは、おもろいからな。


その日は夜までほんまにずっと里桜ちゃんはご機嫌で。


俺は早う話がしとうてたまらんかった。


せやけど、そんなチャンスはあらへんくて、それぞれ部屋に戻って休んでしもうた。
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