君が好きだから嘘をつく
「えっ?」

パソコンを打ち続けている澤田くんに向かって聞き返す。

「健吾がどう反応するか見たかったんじゃないですか?」

その言葉と共に視線を上げてこっちを見た。
涼しい顔をして、少し口元が笑っている。

「あらバレちゃった?でも澤田くんったら、仕事やっているふりして聞いていたんだ」

「これだけ近ければ、聞くつもりなくても聞こえてしまいますよ」

いつもは見せない爽やかな笑顔を見せて、またパソコンに視線を落としている。
さっき私が山中くんと話していた時は、全く関心無い様子でパソコンを打ち込み続けていたのに。
山中くんが帰ってからも変わらずパソコンに向かっていたのに、時間がたった今急に何なの?

考えていると、今さっき私達以外の社員が帰って行ったことを思い出した。
そっか、聞かれる人がいなくなるのを待っていたのか・・

「余計なこと言ってるって思うでしょ」

「いいえ、思いませんよ」

また視線をこっちに向けながら微笑んだ。

「何で?」

「きっと今井さんと同じ気持ちだからですよ」

「はっ?」

「柚原を応援してあげたい気持ちも、健吾の気持ちを探りたい気持ちも」

どうゆう意味で言っているんだろう?
楓と山中くんをくっつけたいってこと?

澤田くんが言う【私と同じ気持ち】って、そうゆうことだよね・・

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