甘き死の花、愛しき絶望
少年のあげた視線の先に、髪が白く。
まるで、サングラスと言って良いほど濃いレンズのメガネをかけた少年が立っていた。
花葬者と騒がれた少年と、同じ学校に通っているのか、今時珍しい学ランを着ている。
けれども、花葬者の少年に、白髪なんて目立つ髪の少年の記憶なんて、なかった。
……だから、黒髪の少年は、聞いた。
「あんた、誰?」
「僕は『虫』」
「虫?」
「そう。花を喰う虫。カフンが好きなんだ。
普通の虫は、花の花粉を集めて実を成らせるけれど。
僕は、花葬者のカフンを集めて花を咲かせることが出来る。
いくら不老不死で、怪我にも病気にも強い花葬者が無敵でも。
花が咲いた状態で、生き残ったヤツは今までいないからね?」
だから、僕は君を殺すことが出来るんだ。
そんな風に説明する少年に、黒髪の少年はひらひらと手を振った。
「……そうじゃなく、その制服は城南(じょうなん)高校だろ?
オレもそうだけど、こんな白髪なヤツを見かけたことは無いぜ。
あんた、何年何組の誰だっだっけ?」
そんな疑問に、白髪の少年は、笑う。
「名前なんて、これから死んじゃう人間が必要?
君が生きるつもりなら、教えてあげてもいいけどね」
まるで、サングラスと言って良いほど濃いレンズのメガネをかけた少年が立っていた。
花葬者と騒がれた少年と、同じ学校に通っているのか、今時珍しい学ランを着ている。
けれども、花葬者の少年に、白髪なんて目立つ髪の少年の記憶なんて、なかった。
……だから、黒髪の少年は、聞いた。
「あんた、誰?」
「僕は『虫』」
「虫?」
「そう。花を喰う虫。カフンが好きなんだ。
普通の虫は、花の花粉を集めて実を成らせるけれど。
僕は、花葬者のカフンを集めて花を咲かせることが出来る。
いくら不老不死で、怪我にも病気にも強い花葬者が無敵でも。
花が咲いた状態で、生き残ったヤツは今までいないからね?」
だから、僕は君を殺すことが出来るんだ。
そんな風に説明する少年に、黒髪の少年はひらひらと手を振った。
「……そうじゃなく、その制服は城南(じょうなん)高校だろ?
オレもそうだけど、こんな白髪なヤツを見かけたことは無いぜ。
あんた、何年何組の誰だっだっけ?」
そんな疑問に、白髪の少年は、笑う。
「名前なんて、これから死んじゃう人間が必要?
君が生きるつもりなら、教えてあげてもいいけどね」