闇ノ花
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「ねぇ山崎……私、本気であの人のとこ行かなきゃかな?」
「……まぁ、副長が言った事だから仕方ないだろ」
広間にて。
皆がわいわいと盛り上がる中、私は伊東さんの所に行きたくなくて、山崎に助けを求めた。
だけど山崎は、仕方ないの一点張り。
「ほっ、本気で?」
「あぁ」
「私、お酌なんか上手じゃないよ?」
「……伊東さんの気を悪くさせたくないという事もあるだろ。早く行け」
「……」
嫌だな……。
そう思いながら、ゆっくりと立ち上がる。
「小松」
「ん?何?」
「……何かあったら、すぐに戻ってこい」
「……?うん、分かった……」
山崎の言っている意味がよく分からなかったけど、私は仕方なしに、伊東さんがいる所へ向かった。