闇ノ花




全ては土方さんのせいだ。


後で仕返ししなくちゃ。





「……芳乃さん?」


「へ?あ、すみません」





ハッとして、私は伊東さんが持つ盃にお酒を注いだ。


何で私がこんな事しなくちゃいけないの……。


もういいや。


とりあえず笑顔を取り繕って、私は伊東さんに話しかける。





「えっと……伊東さんって、剣道お強いんですか?」


「ははは、そんな事ありませんよ。ただ、北辰一刀流の道場主っていうだけで」





……強いんじゃん。


うーん、ダメだ。


話が繋がっていかない。


適当でいいや……。





「へぇー、道場主ですか。すごいですね!」




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