闇ノ花


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土方さんの部屋を出た私は、山崎の後ろを歩いて部屋に向かっていた。


庭には、真っ白な雪が舞っている。





「綺麗……」





……こんな雪、見たことないかも。


だって私が住んでいたのは東京で、雪が降るなんて事……滅多になかったから。





「雪、好きか?」





思わず立ち止まっていると、山崎がこっちを振り返っていた。





「うん。私が住んでいた所、あんまり雪見れなかったから」





息をはくと、冬のせいか白くふわっとした物が目の前に広がる。


寒い……だけど、私は冬が好きかも。




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