闇ノ花
「……そうか」
山崎はそう言うと、また前を向いて歩き出した。
微かに笑ったような雰囲気を感じたのは……気のせいだろうか?
だけど、山崎って一体どんな人なんだろう。
いつも何かを隠しているような表情。
……過去に何かがあったのかもしれない。
両親を、顔も名も知らない誰かに奪われた、私のように。
そんな風に考えながら歩いていると、山崎の部屋の前まで来ていた。
障子を開けた山崎に続いて、中に入っていく。
そして、無言で蝋燭を付けたりし始めた山崎。
うーん……
私も、何かやった方がいいよね。
暇だし。