闇ノ花




刀と苦無。


……やりずらい。


私は鎖を取り出した。


手早く鎖の先端に苦無を引っ掛け、左手に新しい苦無を持つ。


そして、苦無が付いた鎖をブンッと投げる。


狙うは……沖田さんが持っている刀。


鎖はそのまま、苦無がおもりとなり、ガシャンガシャンッという音と共に刀に絡み付いていった。


勢いを付けてそれを引っ張り、少しよろけた沖田さんの腹に蹴りを入れる。





「く……っ」





刀は地面に転がり、沖田さんの手元にあった物は全て消えた。


そして倒れた沖田さんの上に乗り、左手に持っていた苦無を、喉元に押しあてる。




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