ド天然!?魔女っ子の秘密
お父様に報告したその帰りに、"ガーネット"の書庫に寄ったんだ。

そこで一冊の本を見つけた。

古びていたけれど、表紙が紅の綺麗な色の本。


今までいろんな種類の本を見てきたけど、これは初めて見た。

だから思わず手に取ってしまった。


ペラ、と黄色い古びたページをめくる。

読もうとして気づいた。この本は古語で書かれている。それも手描きだ。


最初は、かなり昔の本だな、としか思っていなかったんだけど、読むにつれ分かった。


これ、魔術書だ…

しかも、かなりの力を持つ人が書いたもの…


一体誰が書いたの…?

一通り目を通して、裏表紙を見た。


『が…ねと…』

がねと…ガーネット!?

まさかガーネット様直筆の本なの!?

いや、そんなまさか…

あはは、と笑って自分の考えを否定した。


『由良さん』

後ろから呼ばれてビクっと肩を上げた。


『ちっ千沙さん…』

驚かさないで下さいよー、と少し拗ねたような口調で言ってみると、あははと千沙さんは笑って謝った。


『まさかここにいらっしゃるとは思わなかったもので…』


あら、と千沙さんはあたしが持っていた本に気づいた。
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