【短編】聖なる夜の秘恋


「せっ、先生っ、きゃっ」

タイツを履いている足が滑って、狭い廊下の壁に体が押しつけられる。

間髪をいれずに唇を重ねられる。

強引な口づけ。

私の体を壁にぴったりと張り付かせ、先生の細い指が私の顎を掴むと更に深く口づけてきた。

「んんっ、せんせっ」

なんとか声を紡ごうとするけれど、先生の熱いキスがやまない。

私は抗うこともできずに、わけもわからないままそれを受け止めるだけで精いっぱい。

何度も向きを変えて、強引に唇を奪ってくる。

顎に触れていた手が顎のラインをそっとなぞり、首筋をたどって段々と下にさがっていく。

全身が心臓になったみたいに私の鼓動が大きくなる。

体中が熱くておかしくなっていく。

そんな中、なんとか目を開けて先生の顔を見れば、整った顔が切なげに曇っていた。


< 10 / 18 >

この作品をシェア

pagetop