【短編】聖なる夜の秘恋


「先生っ、おろしてよっ。重いし、やだぁ!」

彼に両手で抱えられ、見事なお姫様抱っこ。

「ダメだ。普段言えないけど、ユキは俺だけのお姫様だからな」

沸騰しそうなくらい顔が熱くなる。

なのに、彼はほっぺにキスを落とす。

こんなの反則だよ……。

「先生ってば……」

体中から空気が抜けたみたいに、力もなにも入らない。

普段全然そんなこと言ってくれないのに、突然こんなことを嵐のようにされたらおかしくなるのを先生はわかっていないんだ。

ドキドキが体中を駆け巡っている。

先生の腕に抱かれて、ワイシャツの襟もとから鎖骨が覗いてくらくらする。

私にとって先生は王子様だ。

かっこいいかっこいい、私だけの王子様。


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