蜜恋ア・ラ・モード
私、何か怒らせることした?
慌てて起き上がると、洸太の前に正座をした。
「えっと……洸太、お帰り」
「あ、おう。ただいま。……ってお前、また玄関のカギ開いてたぞ!! ひとりでいるときは、ちゃんとカギ閉めておけって言ってんだろ」
「そうだけど。ここ、洸太の家だし……」
「誰の家だろうと、ひとりでいるときに何かあったらどうすんだよ!!」
「何かあったらって?」
「ああーっ!! もういいわ。それより都子、部屋掃除してくれたんだ」
「そうだよ。何が『ちょっと汚れてるけど』なの? あの状態で待ってろなんて、信じられない」
そのせいで、三時間も掃除する羽目になってしまったんだから。
疲れたしお腹は減ったし、もう洸太と言い合いする元気もないよ。
「悪い悪い。でも助かった。ありがとな」
正座している私の頭を、洸太がポンと撫でる。今までの私なら、『何するのよ!!』っていうところだけど。
洸太のことが好きだと気づいてしまった今としては、そうされることが嬉しいような照れくさいような。
顔が火照ってきたのがわかる。
「別にいいけど」
素直じゃない私はボソッとそう呟くと、赤くなっているであろう顔を見られないように俯いた。