蜜恋ア・ラ・モード
こんな時、どんな顔をしたらいいの?
だって相手は洸太だよ? ずっと幼なじみとして付き合ってきたのに、そこに“好き”と言う気持ちがプラスされてしまうと、どう向い合っていいのかわからない。
「なに、下向いてんだよ。今日の都子、なんかおかしくないか?」
そう言って洸太が急に私の顔を覗き込むもんだから、驚いて洸太を突き飛ばしてしまった。
「イッてぇー。お前いきなり、何すんだよ!!」
「洸太、ごめん。でも洸太が悪いんだよ。突然、人の顔見ようとして……っ!!」
背中から床に倒れている洸太を助けようと手を出したところで、逆にその手を取られ引っ張られてしまう。
えっ? 嘘でしょ?
私の身体は洸太の上に覆いかぶさるように倒れこみ、そのまま抱きしめられた。
「なぁ都子、どうしたんだよ? 今日のお前、ホント変だよ」
洸太が私の身体を、強く抱きしめる。そしてその身体を横にクルッと反転させると、今度は洸太が私の上に跨った。
両肩を強く掴まれ、私は身動きひとつできない。
ううん、違う。動けないのは、腕を掴まれているからじゃない。
洸太の私を見つめる視線に、囚われてしまっているから……。
「有沢さんと、何かあったのか?」
洸太の優しい瞳が、正直に話せと語っている。
「わ、別れてきた」
「はぁ!? なんで?」
「なんでって、それは……」
洸太のことが好きだから───
そう言ってしまうのは簡単なこと。だけど言ってしまった後のことを考えると、どうしてもそのひとことが言えなくなってしまう。