蜜恋ア・ラ・モード
「なぁお前、何考えてんの? 俺がどんな気持ちで、お前のそばから離れたと思ってんだよ……」
怒らせてしまったのだろうか。洸太の、喉から絞りだすような声が震えている。
でもなんで、今更洸太が怒るわけ? 彼女のできた洸太にしたら、もう私のことなんてどうでもいいことじゃない?
でもそんなことを口にすることはできずに黙っていると、洸太の顔がすっと近づいた。
「な、なに?」
「その好きな奴って誰だよ?」
「誰って……。言わなきゃダメ?」
「俺には知る権利があるだろ」
何、その権利って? よくわからない権利だけど、今ここで言ってしまうのが一番いいタイミングかもしれない。
洸太の目を見つめると、大きく息を吸い込んだ。
「洸太……」
「は?」
「洲崎洸太が好きです」
とうとう言ってしまった……。
でも言ってしまうと、案外スッキリしていり自分がいて。返ってくる答えがわかっているからか、思いのほか心は落ち着いていた。
洸太といえば、まさか自分の名前がでてくるとは思っていなかったんだろう。目を見開いたまま固まっている。
「洸太ごめんね。今更こんなこと言われても、迷惑だってわかってる。でも洸太と離れてみて気づいてしまった気持ちを、どうすることもできなくて」
「あぁ……」
洸太、やっぱり迷惑そう。
そりゃそうだよね。彼女ができてしまった今となっては、私なんて邪魔だけの存在。ここは早めに退散したほうが良さそうだ。
肩に掛かっている洸太の腕を取ると、その場に起き上がる。